歯周病はお口の中のトラブルだけでなく、全身にもいろんな弊害を与えてしまいます。

 

今回は歯周病と関節リウマチの関係性についてお話していきましょう。

 

歯周病と関節リウマチは関係ありますか？

関節リウマチとは炎症性自己免疫疾患で、日本の患者数は１００万人にも上ります。

 

中でも３０～５０代の女性に好発する傾向にあります。

 

歯周病と関節リウマチは相互的に悪影響を及ぼし、歯周病の罹患率も上がりますし関節リウマチの有病率も高まります。

 

なぜ歯周病と関節リウマチは相互的に悪影響を与えてしまうのですか？

関節リウマチも歯周病も炎症性疾患です。

 

そのため検出される炎症物質や炎症反応を促進させるタンパク質が類似していることが明らかになっています。

 

インターロイキンや腫瘍壊死因子といった物質が関与して、慢性的な炎症が続き骨を破壊させてしまいます。

 

更に関節リウマチの治療で使用するお薬の効果は、歯周病菌のPg菌感染によって抑制されてしまうことも示唆されております。

 

また歯の本数が少ない人ほど関節が腫れるリスクが高くなり、歯が２０本以下の人は歯がすべてある人と比べ、5.3倍も朝のこわばりがおきる率が高いという研究結果も出ております。

 

 

関節リウマチの方の口腔ケアの問題点と改善策について

不十分な口腔ケアになりやすい

関節リウマチの方は自分の思った通りに歯ブラシを動かすのが難しい部分があります。

 

関節リウマチの症状に関節の痛みやこわばりを感じ、歯ブラシを細かく動かすことも困難な方もいるでしょう。

 

その時は電動歯ブラシを導入し、手や腕を動かさなくても歯ブラシできるように工夫すると良いでしょう。

 

更に細かい部分の落ち切らない汚れは洗口剤の薬液の力を借りて、口腔内の消毒を行うことをおススメ致します。

 

お口が乾燥しやすい（ドライマウス）

関節リウマチに合わせてシェーグレン症候群を併発すると口腔乾燥（ドライマウス）が起こりやすくなります。

 

シェーグレン症候群は唾液分泌量が減少しお口の中が乾燥しやすくなるため、唾液の自浄作用も働きにくくなり歯周病や虫歯になりやすくなります。

 

普段の歯ブラシの時や乾燥が気になる時にお口の体操や唾液腺マッサージを行い唾液の分泌を促すと良いでしょう。

 

そして保湿剤や浸潤剤、唾液分泌促進剤などの使用をおススメいたします。

 

 

服薬による免疫機能の低下

関節リウマチの治療薬は免疫の機能を抑え症状を緩和させる目的があるため、健康な人と比べると歯周病が悪化しやすくなります。

 

歯科医院でしっかり歯周病の治療を受け、歯周病にならないようにするために専門的なブラッシング指導を受けると良いでしょう。

 

しっかり歯周病の治療を歯科医院で受けることで感染リスクや免疫低下を回避することができます。

 

歩行困難な場合歯科医院に通えない

関節リウマチの症状が下肢に出ている場合は歩行する事が難しく、歯科医院に通院しづらくなってしまいます。

 

そうすると歯周病や虫歯が進行し、歯を失う本数が増えるため関節リウマチの症状も悪化してしまいます。

 

なかなか歯科医院まで通えない場合は訪問歯科といって自宅で治療をしてくれる歯医者もございますので、訪問歯科が適応の患者様であれば自宅でも歯周病や虫歯の治療が可能になります。

 

 

関節リウマチの方はしっかり歯周病治療しましょう

上記のように関節リウマチと歯周病は深い関係があることが分かりました。

 

関節リウマチの方は歯周病が進行しやすく、重症化しやすい傾向にあります。

 

歯周病の治療により関節リウマチの症状も改善すると考えられていますので、関節リウマチの予防や進行抑制のためにも歯科医院でしっかり治療を受けるようにしましょう。

 

 

 

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