歯周病と骨粗しょう症はどんな関係がありますか?
これまでの記事で歯周病は全身疾患にも影響があると分かっています。
今回は歯周病と骨粗しょう症の関係について深掘りしてみましょう。
歯周病と骨粗しょう症はどんな関係がありますか?
歯周病は歯の周りの組織が歯周病の細菌により壊されてしまう病気です。
特に歯を支えている歯槽骨が歯周病の細菌により吸収されて短くなると、歯を支えている骨が無くなってしまうので歯がグラグラしていずれ抜け落ちてしまいます。
骨粗しょう症は全身の骨の強度が低下し骨がもろくなってしまう病気ですので、歯周病とも深い関係があります。
骨粗しょう症とは?
骨粗しょう症の方の8割は自覚症状がなく、日本の推定患者数は1000万人以上になります。
加齢などで気づかぬうちに骨が脆くなり、少し転んだだけで骨折してしまいます。
脚の骨や背骨を骨折してしまうと寝たきりになってしまう可能性もあり、注意が必要です。
骨粗鬆症を発症させてしまう原因は加齢・運動不足・生活習慣・ホルモンの減少などがございます。
骨粗しょう症はどんな人がなりやすいですか?
・カルシウムを多く含む乳製品や魚類豆類を摂取しない方
・運動習慣がない方
・アルコールをたくさん摂取する方
・喫煙習慣がある方
・痩せ型の方
・ご家族に骨折歴がある方
・内科的要因がある方
肝疾患、腎疾患、呼吸器疾患、膠原病で副新皮質ステロイドホルモン剤を服用している方
骨粗しょう症が与える歯周病の影響とは?
骨粗しょう症を患っている方は、歯周病も進行しやすく重症化しやすいのが特徴です。
特に閉経後に骨粗しょう症を発症した女性は、骨代謝にかかわるホルモン「エストロゲン」の分泌低下も影響しています。
歯周病が進行しやすい原因としてエストロゲンの欠乏も考えられます。
骨粗しょう症の方の口腔に現れる特徴とは?
エストロゲンが減少すると歯茎が炎症を起こしやすくなり、骨粗鬆症の影響で歯槽骨も弱くしてしまうので歯が抜けやすくなってしまいます。
歯周病が悪化すると顎の骨にも炎症が広がり、顎骨骨髄炎や顎骨壊死がみられることがあります。
顎骨壊死が起こった場合は、歯肉の腫脹、疼痛、歯の動揺、排膿、下唇のしびれなどの症状が現れます。
歯肉に穴が空いたようになり、そこから骨が露出するのも顎骨壊死の特徴です。
歯周病が与える骨粗しょう症の影響とは?
歯周病により歯を失ってしまい、噛む機能が低下すると食べ物の消化や吸収を阻害します。
するとビタミンDやカルシウムが不足し、骨粗しょう症を悪化させることもあります。
更に高齢になると体内のカルシウム量も減少してくるので、歯槽骨を含め全身の骨の強度が弱ってきます。
骨粗しょう症の薬は歯科治療でとても重要な確認項目です!
骨粗しょう症の薬は歯科治療に影響します。
良く使われるのが「ビスフォスフォネート製剤」や「ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤」などの骨吸収抑制剤で、骨を丈夫にする効果があります。
ただこの薬は新しく骨や歯肉を作る機能を抑えてしまうのです。
そのため抜歯やインプラント埋入など歯肉や骨を傷つけてしまうような歯科外科処置は、細菌に感染すると傷の治りも悪くあごの骨が壊死(顎骨壊死)してしまう可能性もあります。
骨粗しょう症の治療をしている方や服薬がある場合は、必ず歯科医師に報告をしましょう。
お薬を飲み始める前に治療を済ませるか、もしくは一度休薬してから治療をするかなど治療方針が変わってきます。
骨粗しょう症の方が気をつけるべき歯周病予防とは?
・毎日しっかり丁寧な歯磨きをする
・補助用具も使い、歯ブラシが届かない細かい部分までお手入れする
デンタルフロス・歯間ブラシ・ワンタフトブラシ
・定期的に歯科医院を受診し、健診とクリーニングを受ける
骨粗しょう症と診断を受けたら歯周病のチェックも受けましょう!
骨粗しょう症と歯周病は密接した関係があります。
服薬を始める前に治療をした方が良い場合もあるので、骨粗しょう症と診断を受けたら一緒に歯周病のチェックを受ける事をおススメします。
食事でカルシウムを積極的に摂取する他にも、口腔にも目を向け普段の歯磨きの見直しを行い口腔内のバイキンコントロールも考えていきましょう。
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