歯周病と誤嚥性肺炎は関係ありますか?

歯周病患者は30代以降に増加傾向と言われていますが、特に75歳以上の高齢者では罹患率が高くなってまいります。

 

それに合わせて考えなければならないのが、高齢者疾患の1つの肺炎です。

 

現在肺炎は日本の死亡原因の第3位となっており、肺炎で亡くなる方の多くは 75 歳以上の高齢者がほとんどです。

 

その一因となっている肺炎の1つに「誤嚥性肺炎」があります。

 

今回は、歯周病と誤嚥性肺炎の関係性についてと誤嚥性肺炎の予防法についてご紹介します。

 

歯周病と誤嚥性肺炎は関係ありますか?

歯周病と誤嚥性肺炎は大いに関係しております。

 

普段人は口腔機能を保っており、顔の筋力・口回りの筋力・口腔内の筋力・のど周辺の筋力が複雑に反応して食事やおしゃべり、呼吸を当たり前のようにしています。

 

高齢者になると筋力の低下や嚥下力の低下により、普段よりも誤嚥をしやすくなります。

 

その際に口腔内に歯周病の細菌が多いと、肺炎にまでつながりやすくなってしまうのです。

 

誤嚥性肺炎とはなんですか?

正常な嚥下と誤嚥について

正常な嚥下とは「食べ物や唾液を目や香りでしっかり認知し、口から取り込みしっかり咀嚼をして食道を通って胃へと運ぶ動作」の事を言います。

 

誤嚥とは「食べ物や唾液が、食道ではなく気管や肺に入ってしまうこと」を言います。

 

食べ物や唾液を飲み込む時は、喉頭蓋が気管に蓋をして口腔内に陰圧をかけることで食道に流れる仕組みになっています。

 

間違って食べ物や唾液が気管に入ってしまっても、健康な方や嚥下機能がしっかりしている方は咳をしっかりして気管に入ってしまった異物を外へ排出しようとします。

 

しかし高齢になると嚥下反射や咳反射が低下するため、気管に入っても外へ出す力が弱くなってしまう事や咽頭の感覚がにぶくなってしまい誤嚥している事に気付きにくくなります。

 

誤嚥性肺炎とはどんな病気ですか?

 

誤嚥性肺炎は、誤って気管に入り誤嚥してしまった唾液中の細菌などが肺に感染して起こる病気のことです。

 

特に口から食物を摂取しない方は、口腔の自浄作用も悪くなっている傾向にあります。

 

その為口腔の細菌は増加し、さらに歯周病の細菌も増えることで誤嚥性肺炎に繋がります。

 

誤嚥性肺炎1

 

誤嚥性肺炎の疑わしい症状とはなんですか?

  • 食事中のむせ、
  • 喉がゴロゴロ鳴っている
  • 唾液が飲み込めない
  • 咳が出る
  • 発熱
  • 膿のような痰がでる
  • なんとなく元気がない
  • 食欲がない

 

歯周病と誤嚥性肺炎の関係とは?

誤嚥性肺炎を起こす細菌は、嫌気性菌(酸素のないところで発育する菌)が多いです。

 

そして歯周病原細菌は、酸素の少ない歯肉の中で増える嫌気性菌がほとんどです。

 

歯と歯肉の中の酸素が届かないスペースで菌が繁殖し、歯周病を進行させます。

 

誤嚥性肺炎から見つかる細菌は、歯周病原性細菌を中心とした口腔細菌だということもわかってきております。

誤嚥性肺炎を予防する方法はありますか?

お口の中を清潔に保ちましょう

毎日の丁寧なブラッシングにて口の中の細菌を増やさない努力をするのはとても大切なことです。

 

特に誤嚥性肺炎は高齢者の方に多く発症し、中には口からお食事が召し上がれない方もいらっしゃいます。

 

口からお食事を取っていなくても、口腔内には常に細菌が滞在しておりますので毎日の口腔ケア粘膜ケアを行うようにしましょう。

 

併せて舌の上にも細菌が沈着しやすいので、舌ブラシなどでケアをするとよいでしょう。

 

誤嚥性肺炎2

 

口腔機能の維持や向上を目指しましょう

飲み込むための筋肉を鍛えるために、嚥下体操を行いましょう。

 

嚥下体操にはいろいろな種類がございます。

 

代表的なのは「あいうべー体操」「パタカラ体操」などがございます。

 

誤嚥性肺炎3

 

かかりつけ歯科医院にて定期通院とクリーニングを受けましょう

上記で挙げた通り、誤嚥性肺炎を引き起こす原因が歯と歯肉の隙間に入り込んでしまった歯周病の細菌です。

 

ご自宅でのホームケアですとどんなに頑張っても歯周ポケットの1~2mmまでしかブラシが届きません。

 

そしてブラシが届いたとしても刷掃効果はとても薄く、汚れは取り切れません。

 

定期的に歯科医院へ受診し、歯周病の治療と正しいブラッシング方法を教えてもらうことをおススメ致します。

 

歯周病は早いうちから進行を食い止めましょう!

今回誤嚥性肺炎にも歯周病菌が関係していることが分かりました。

 

歯周病は他のQ&Aでも取り上げている通り、ゆっくり進行し自覚症状が出にくい病気です。

 

早いうちからしっかり処置を行い、歯周病を進行させないように食い止めていきましょう。

 

歯周病治療3

 

 

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